そもそも均質な集団ではない

入管法の改正が決まった。

奴隷制度的と批判の受けることの多い技能実習制度を、就労系資格へと変質させるものなのか、はたまた奴隷期間の延長策となるのか。

詳細なルールづくりは、これからだが、所詮ルールはルールであり、どのように運用するかは、利用する国民の意識次第である。技術移転という国際貢献として始まった技能実習生が実際は安価な労働力を得る手段と成り下がったように。無論、すべての技能実習がそうではなく、なかにはきちんと実施しているところもあるだろう。

民泊のすったもんだもそうだが、結局は、それなりの罰則がないと、抜け道を探して、あるいは多少の軽い罰則を見込んだ上で、金儲けに走る人間というのは確実にいる。そういう人間とは異なる環境、進路で生きてきた制度を作る側の人間には想像のできない思考回路で動く人間というものは、確実に存在する。「なんでそういうことするの?」といったところで、永遠にわかりあえることはない。

今回の法改正の論点は、移民の是非やら悪しき制度の存置やら、難しい問題が多数ある。そして、根底には、政策を目的どおりに実施するためのルール作り、制度設計への信頼不足からくる不安、というものも無意識的にあるように思う。